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4.4 中華人民共和国 4.4.1 Tianguan Enterprise Group Co., Ltd.(河南省)(農民との意見交換を含む) (1) 所在地 No. 16 Eastern Jian She Road Nanyang City Henan, Post code: 473000 http://www.tianguan.com.cn (2) プロセス(システム)フロー 同社は、供給原料をグループ内の収集会社やJAのような協同組合から購入してエタノールを生産し、石油会社 Sinopetroに販売している。 (3) 供給原料、エタノールの利用、規模、および供給原料の発熱量 主要供給原料は小麦で、サツマイモ、トウモロコシ、およびキャッサバも使用されている。製造されたエタノールは、E10として燃料用に使用される。この企業は3つの工場を所有し、年間500,000トンのエタノールを製造している。 (4) 製品の量、およびその発熱量 年間500,000トンのエタノールが製造され、1トンのエタノールを製造するのに3.3トンの小麦または3 トンのキャッサバが使用される。したがって、約1,500,000トンの供給原料が必要となる。 (5) 物質収支およびエネルギー収支 第4.3.2節(工場)を参照。 (6) 経済収支、イニシャル・コスト、および運転費 全般的な経済収支は以下のとおりである。 供給原料:エタノール1トンあたり4,500〜5,000 RMB(人民元)(供給原料1トンあたり1,500 RMB) 製造費:エタノール1トンあたり5,500 RMB(1Lあたり約4.5 RMB) 政府からの補助金:エタノール1トンあたり1,300 RMB 販売価格:エタノール1トンあたり4,600 RMB 参考:ガソリン価格:1Lあたり5 RMB 中国政府は、エタノールの価格がガソリンの価格の91.1%になるように価格統制を実施している。 イニシャル・コストおよび運転費の詳細については、第4.3.2節(工場)を参照。 (7) 運転に必要な要員の人数 3つの工場に3000名の職員が勤務している。 (8) 施設導入の理由、解消された問題、および未解決の問題 燃料エタノールの導入により、小麦の生産量が増加し、その結果、農民の収入が約2倍に増加した。また、国のエネルギー問題もエタノール導入の理由の1つである。 (9) 農民、地方自治体、または協同組合の関与、および大学、研究所、またはNGO(非政府組織)からの支援 一部の農民は、JAのような協同組合(供給原料を供給)を通じて直接参加している。BESTという名称の新しいプロジェクトが、中国-EU第6次フレームワークに基づき実施されている。 (10) プロセスを経済的に実現可能なものにするための手段、成功へのキー・ポイント、および施設運用の主体の選択 政府からの補助金が最も重要である。また、税金も免除される。補助金により、市場価格と同じ価格で供給原料を購入することができる。 (11) 地域内での農民の収入および雇用への影響 意見交換の際に、農民から以下の点が指摘された。 ・ 関与した農民に関しては、小麦の生産量が倍増したことにより、収入も倍増した。余剰地を利用して耕作地を拡張し、生産性を向上させた。しかし、農地には限りがあり、現時点でほぼすべての土地が既に使用されている。 ・ エタノールの製造の導入の前は、低所得が原因で、農民が都市部に流出してしまった。導入後、収入が増加し、農民の流出は止まりました。 ただし、以下のことについて考慮する必要がある。 ・ エタノールの製造に使用される供給原料が、4000万トンという河南省の農業生産量のうち150万トン(3〜4%)にすぎないこと、中国全体で見るとその値は0.8%である。 ・ トウモロコシの市場価格も、国際市場価格の上昇と、エタノールの製造および化学製品向けの需要の増加のために、倍増した。 (12) 人的資源の導入および開発のための枠組み このプロジェクトは政府の政策として行われている。プロジェクトは2001年12月に南陽で開始された。2002年8月から2003年7月までは、デモンストレーション段階(第1段階)で,2003年8月に商用段階(第2段階)に入り、520のガソリンスタンドおよび50,000台の自動車がE10を採用している。 (13) 地域内の農業の状況(土地利用、農業の持続可能性) この地域では通常、二毛作が行われ、小麦は春に収穫され、トウモロコシは夏に栽培される。1トンのトウモロコシの生産に150 kgの化学肥料が使用され,また、糞尿も使用される。1トンのトウモロコシに対する生産費は約300 RMBである。農民1人が使用する土地の面積は平均で1.5畝(参考:1畝=666 m2)であり、1畝の土地から、0.5トンのトウモロコシと0.5トンの小麦が収穫される。したがって、平均収入は約2,250 RMBとなる。参考までに述べると、工場労働者の収入は約15,000 RMBであることから、農業者の収入は十分ではないと考えられます。 (14) バイオエタノールを利用した地域内循環型農業の可能性 エタノールの製造に要する供給原料は市場から供給されるため、効果はない。DDGS(乾燥蒸留器穀物および溶解物)は供給原料として使用されるが、廃水は工場内で処理される。 (15) 地域内でのバイオエタノールの供給およびエネルギー利用の可能性 余剰地または余剰作物が必要である。 (16) その他 特になし。 (17) 交渉担当者、ホームページ、および支援機関 ゼネラル・エンジニアのMr. Du Feng Guangが交渉担当者である。 (18) 試供品 特になし。 (19) 写真 調査の際に撮影した写真を以降のページに示す。
図4.4.1-1 Tianguan Enterprise Group社の写真
図4.4.1-2 会談(左からMs. Betty、Mr. Guang、農業者2名)
図4.4.1-3 Sinopec社のガソリン・スタンド
図4.4.1-4 E10を使用する自動車 4.3.2TianGuang Group社のエタノール製造施設(南陽市) (1) 所在地 河南省南陽市 (2) プロセス・フロー 小麦を挽き、蛋白質を除去する。蛋白質が除去された小麦を、酵素で液化し、別の酵素で糖化する。さらにそれを発酵させ、99.5%まで蒸留し、それを、南陽市から5 km.離れた混合センターに出荷する。蛋白質および発酵汚泥の販売も行っている。 (3) 供給原料、製品の利用、規模、および供給原料の発熱量 供給原料は小麦である。製品エタノールは、ガソリンに添加するために使用される。小麦の投入量は年間1 Tg(100万トン)である。供給原料の発熱量は、それが小麦であるので、約14 MJ/kgになると考えられる。 (4) 製品エタノールの量、およびその発熱量 収量は年間300 Gg(30万トン),エタノールの発熱量は30 MJ/kgである。 (5) 物質収支およびエネルギー収支 1 Mg(1トン)のエタノールを生産するために 3.3 Mgの小麦が必要である。副産物は、0.5 MgのDDGS(乾燥蒸留器穀物および溶解物、発酵汚泥)、および0.3 Mgの蛋白質である。発酵プロセスにおいて、1トンの二酸化炭素が生成され,残りの0.5 Mgは廃水に含まれていると考えられる。これは、メタン発酵法および活性汚泥法を用いて処理される。1トン(すなわち30 GJ)のエタノールを製造するには0.16 Mg(すなわち4.5 GJ)の石炭が必要である(発熱量を石炭1 kgあたり28 MJと仮定した場合)。その他のエネルギーは追加されていない。投入される小麦は3.3 Mg、すなわち46 GJで,エネルギー効率(エタノールの出力エネルギー/石炭および小麦の投入エネルギー)は0.60 となる。(「/」は除算記号を表す)。 (6) 経済収支、イニシャル・コスト、および運転費 イニシャル・コストは、13億 RMB,エタノールの価格は4500 RMBである。政府は、1 Mgあたり1300 RMBの助成を行っている。減価償却期間を10年と仮定した場合、年間運転費は4400万 RMBになる計算である。 (7) 運転に必要な要員の人数 従業員の人数は600名である。3交代制で運転すると仮定した場合、運転に必要な要員は150名となる。 (8) 施設導入の理由、解消された問題、および未解決の問題 Tianguang Group社は、中国でエタノールを製造する最初の企業であり、また、燃料エタノールの製造認可を最初に取得した企業でもある。 (9) 農民、地方自治体、または協同組合の関与、および大学、研究所、またはNGO(非政府組織)からの支援 農民が作物を提供する。 (10) プロセスを経済的に実現可能なものにするための手段、成功へのキー・ポイント、および施設運用の主体の選択 政府からの補助が、経済的実現への鍵になる。政府からの補助がなければ、エタノールの価格はガソリンの価格と対等にならない。 (11) 地域内での農民の収入および雇用への影響 第4.3.1節に述べたとおりである。 (12) 人的資源の導入および開発のための枠組み 同社は、同社の費用負担でこの設備を建設した。 (13) 地域内の農業の状況(土地利用、農業の持続可能性) 第4.3.1節に述べたとおりである。 (14) 地域内循環型農業の可能性 この設備からのいかなる産物も、農業に再生利用されていない。 (15) 地域内での電力供給およびエネルギー利用の可能性 施設は、エタノールの製造のためにエネルギーを消費する。エタノールはガソリンと混合され、この地域で使用されている。 (16) その他 施設は、5つのユニット(小麦の前処理、たんぱく質の生成、エタノールの発酵、DDGSの生成、および付帯設備)で構成されている。 (17) 交渉担当者、ホームページ、および支援機関 Mr. Zhang Kefanが推薦されている。 (18) 写真 以下に、調査の際に撮影した写真を示します。工場内での写真撮影は禁止されていたため、利用できる写真は、1枚の工場の外観の写真に限られる。
図4.4.2-1 エタノール製造設備の外観 4.4.3 Chinese Academy of Agricultural Engineering(CAAE)のInstitute of Energy and Environmental Protection(IEEP) (1) 所在地 No. 41, Maizidian Street, Chaoyang District, Beijing 100026, China (2) プロセス・フロー 特になし。 (3) 供給原料、製品の利用、規模、および供給原料の発熱量 2006年の終わりに、4つの燃料エタノール製造設備の運転が政府から正式に許可された(第4.3.1節の記述と矛盾するが、中国にある 600を超えるエタノール製造設備のうち、これら4つの設備に対してのみ、燃料エタノールの製造のための補助金が政府から支給されている可能性がある)。3つの設備の供給原料はトウモロコシで、1つの設備の供給原料は小麦である。食糧と燃料の間の競合を理由に、政府は、燃料エタノールの供給原料をトウモロコシと小麦からサトウモロコシ、サツマイモ、およびキャッサバに切り替えることを検討している。さらに、将来は燃料エタノールの製造にリグノセルロースが使用されるという予測もある。現在南陽では、リグノセルロースから年間3,000〜4,000トンのエタノールを生産する能力を有するパイロット・プラントが稼動している。その技術の提供元はChina National Cereals, Oils and Foodstuffs Corporation(COFCO) である。 (4) 製品エタノールの量、およびその発熱量 2006年の中国のエタノールの生産量は1,200,000トンであった。供給原料の3分の2を小麦が占め、残りの3分の1はトウモロコシ、キャッサバ、サツマイモ、およびサトウモロコシである(これらの供給原料の量はほぼ等しい)。 (5) 物質収支およびエネルギー収支 バイオエタノールの製造についてのLCA(ライフ・サイクル評価)は、まだ行われていない。 (6) 経済収支、イニシャル・コスト、および運転費 エタノール製造設備の経済収支は、現在のところ、五分五分であるが,この状況は政府からの補助金によって維持されている。 (7) 運転に必要な要員の人数 特になし。 (8) 施設導入の理由、解消された問題、および未解決の問題 中国でのエタノールの製造は、数年前に起きた食糧の余剰を背景に導入された。しかし、状況が変化し、現在では余剰食糧の量はそれほど多くない。 (9) 農民、地方自治体、または協同組合の関与、および大学、研究所、またはNGO(非政府組織)からの支援 特になし (10) プロセスを経済的に実現可能なものにするための手段、成功へのキー・ポイント、および施設運用の主体の選択 第6項を参照。 (11) 地域内での農民の収入および雇用への影響 中国では、エタノールの製造によって農民の収入が増加したものの、その増加は農民が電気を購入するには不十分である。 (12) 人的資源の導入および開発のための枠組み 特になし。 (13) 地域内の農業の状況(土地利用、農業の持続可能性) これについては、第5.3節に述べてある。 (14) 地域内循環型農業の可能性 農民の収入の増加という観点から、可能性の1つとして、リグノセルロース(農業残渣)のエネルギー利用を挙げることができる。これについては、第5.3節に詳述してある。 (15) 地域内での電力供給およびエネルギー利用の可能性 第11項を参照。これについては、第5.3節に詳述してある。 (16) その他 i) CEEP(Centre of Energy and Environmental Protection) Centre of Energy and Environmental Protectionは、Chinese Academy of Agricultural EngineeringのInstitute of Energy and Environmental Protectionを母体として、1995年に設立された。CEEPには、教授 3名、シニア・エンジニア8名、エンジニア10名、およびドイツ人のCIM(コンピュータ統合生産)専門員2名を含む30名の技術専門員が勤務している。 CEEPは、以下の業務に従事している。 · 農村地域におけるエネルギーおよび生態学的環境保護に関する巨視的政策研究 · 農村地域におけるエネルギーおよび環境保護に関する主要プロジェクトの指導および監督 · 農業廃棄物処理技術および資源指向型利用技術の研究および促進 · 農業廃棄物処理プロジェクトおよび資源指向型利用プロジェクトの企画および作成 · 国際協力、情報交換、および職員の訓練 · Station for Rural Energy Occupational Skill Testingの指導および監督 ii)EEP(欧州連合・中国エネルギー環境プログラム) EU(欧州連合)・中国エネルギー環境プログラムは、中国政府と欧州委員会の政治的意思に対応し、エネルギー分野におけるEUと中国の協調をさらに強化するために設立された。プログラムの全般的な目的は、経済的、社会的、および環境上の諸条件を改善して供給を確保することにより、持続可能なエネルギー利用を促進し、その結果として、中国における環境の質および衛生状態を改善することである。 エネルギー局との合意により、EEPの再生可能エネルギー要素注目分野として、4つの優先事項が指定された。以下のURLから情報を収集することができる。 http://www3.eep.org.cn/eepsubpages.php?d=143522141105&p=410615141205 iii)中国とドイツのプロジェクト「中国北部における集約農業のための環境戦略」 このプロジェクトは、水不足、肥料および殺虫剤の乱用、および動物のし尿の無秩序な廃棄などに起因する非点源汚染の問題を解決し、農産物の品質を向上させ、農民の収入を増加させ、持続的な農業の発展を実現するために、ドイツにおける関連の経験および農村地域における環境保護に関する先端技術を参考にして、集約的な野菜の栽培のために、節水ならびに肥料および殺虫剤の使用の削減のための技術を開発することを目的としている。 (17) 交渉担当者、ホームページ、および支援機関 Dr. Dr. Zhao Li Xin(CAAEのIEEP(Institute of Energy and Environmental Protection)のZhao Li Xin 所長兼教授) Mr. Wang Fei(農務部のCenter for Energy and Environmental Protection(CEEP)の所長補佐) 現在、ホームページを製作中である。 (18) 写真 調査の際に撮影した写真を以降のページに示す。
図4.3.3-1 Chinese Academy of Agricultural Engineerin(CAAE)のInstitute of Energy and Environmental Protection(IEEP)
図4.3.3-2 Chinese Academy of Agricultural Engineerin(CAAE)のInstitute of Energy and Environmental Protection(IEEP) (2)
図4.3.3-3 Prof. XIn(左)とMr. Fei(左から2番目)との意見交換
図4.3.3-4 精華大学のProf. Dehua Liu(右から3番目)およびMs. Jing Zeng(右から4番目)との意見交換
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